CHANGE TO LED VALVES

45年の時を超え、もう一度BCLの世界へ

FRG-7の麦球交換 / カスタマイズ☆



目指せ FRG-7000 ?!

 手持ちのFRG-7はネットオークション落札品だが、スケールドラム照明用の麦球は切れていて点灯しなかった。透過照明なので麦球が点灯しないとスケールの視認性は最悪。 そこでφ3oの高輝度電球色LEDに交換。麦球ホルダの形状からφ5o仕様が良かったのだが手持ちがないため3o径LEDで代用した。

 FRG-7では他にも、MHz表示用、プリセレクタバンド切換表示用に麦球が使われている。落札時点でこれらは点灯していたものの、LEDへ交換。 バンド切換表示は「ひと目」でアクティブバンドが分かるようにカラーLEDを用いた。Aバンド=青、Bバンド=緑、Cバンド=橙、Dバンド=赤 とした。 FRG-7000ではこのプリセレ表示がカラー化されており、ローバンド側から波長の長い赤・橙・黄・緑・青(5バンド)となっている。全く同じでは個性がないので、逆順としてみた。 MHz表示窓のLEDは当初電球色LEDを用いる予定だったが、プリセレ表示LEDをカラー化したので統一感を無視して白色LEDに交換。オリジナリティを強調。






・オリジナルの麦球。点灯しておらず、(保護)カバーも変色して汚れている。




・プリセレ部は赤色LEDが、スケールドラムは電球色LEDが点灯しているが、MHz用麦球は切れている。




・MHz窓点灯用基板を取り外した。随分と劣化しているのが見て取れる。この基板はプリセレ部も同一。





・点灯用ハーネスにはDC16Vが掛かっている。点灯しないのは球切れが原因と確定。





・電流制御用抵抗値を決める。2.2kΩ装着時。もう少し明るくても良いようだ。





・1.5kΩ装着時。明るさ的にはドラムスケール部と同等に感じる。





・麦球も2灯装着されていたので、LEDをパラで装着。電流値も許容範囲にある。





・拡散用キャップを被せて点灯させた様子。追加した抵抗には熱収縮チューブを被せて絶縁処理。





・白色LEDにて点灯したMHz表示窓。麦球による透過照明とは一線を画す印象に変化した。

簡単そうで一筋縄ではいかず

 麦球をLEDに交換するだけの簡単作業・・・とタカをくくっていたのだが、いざ作業をしてみるとこれが難しい。苦労したのはバンド切換のカラーLED化。 名古屋・大須某店で購入したカラーLEDを使用したが、赤LEDは暗くて使い物にならず、青LEDは過電流で簡単に切れてしまった。最大公約数的な数値が求まるまで、 青LEDは2度も飛ばしてしまった。麦球使用が前提のスイッチ回路は、フィラメントへはすべてパラ接続で電圧が掛かっておりアース側を切り換えることで点灯させている。 最初はアース側に抵抗を入れて電流制御を狙ったが、+側に入れないとダメ。作業記録が無くなってしまったが、おそらく2.2kΩを介したはず。 バルブ点灯用ハーネスには、+16Vが掛かっている。



Aバンド:0.5 - 1.6MHz (青色LED)




Bバンド:1.6 - 4MHz (緑色LED)




Cバンド;4 - 11MHz (橙色LED)




Dバンド:11 - 29.9MHz (赤色LED)



LOCK インジケータのカスタマイズ

 FRG-7ユーザーの間でも、しばしば疑問視されるのがLOCKインジケータ。MHzダイヤルのチューニングが外れるとLEDが点灯し、同調点が合うと消灯する。 逆なのではないか?との意見。しかし私は次のように推測し、この動作を納得している。乾電池駆動も可能な本機は、ダイヤル照明用ライトのON-OFFスイッチがある。動作時に麦球を5つも点灯させていては、電池を無駄に消耗するという設計者の考えだと思う。この視点からLOCKインジケータの動作を見れば、 受信時(LOCK ON)に常時LEDが点灯しては電池寿命を延ばせないため、とは云えないだろうか? MHzダイヤルは、FRG-7にとっては受信帯域切換(バンド切換)の意味を持つ。故に同調点が外れたら点灯して「ズレ」を警告するワーニングランプと考えれば、合点がいく。

 一方でLOCK ON時に点灯する、感覚的にはそれが自然なのも頷ける。そこで2色LEDを用い表示色を変えることでこれを実現出来ないか?と思ってゐたところ、 英国のFRG-7ユーザーがその改造記事をWEBで公開していたのを発見。さっそく真似させていただいた。向こうのTRは入手が面倒なのでスイッチング用途の 2SC1959(東芝)で代用。試験回路で動作確認をしたところCRの定数を変更せずとも問題なしと判断、FRG-7に組み込んだ。LOCK ON時には緑、OUT OF LOCK時には赤が点灯する。




これが2色LED表示用の追加回路図。トランジスタ2石で実現している。




マルツオンラインで購入した2色LED。5o径・砲弾型(赤・緑)




LOCKインジケータLEDは、この位置にある。




右が取り外したLED固定用基板。左はユニバーサル基板の切れ端を利用して製作した新規基板。




製作した試験回路。バラック状態で動作チェックを行う。




LOCKインジケータの点灯を想定して、DC3V(単3x2)を掛け OUT OF LOCK 状態を再現。緑が点灯。




LOCKインジケータの消灯を想定して LOCK ON 状態を再現。赤が点灯。
表示色を入れ替え、LOCK ON = GREEN、OUT OF LOCK = RED へ変更。




2色LEDを元の位置に戻す。ネジ止め作業にはマグネットドライバが必要。




取り外したスケールドラムを元に戻す際、再調整が必須。




スイッチング回路は軽量のため、既存のハーネスに結わえて固定した。




実際の動作状況。MHzダイヤルの同調が取れている時(LOCK ON)には緑色に点灯する。




MHzダイヤルの同調が外れている時(OUT OF LOCK)には赤色に点灯する。






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