FR-101で短波放送(AMモード)を聴くと音声出力が「とても大きい」ことに驚かされる。微弱なSSB検波出力の増幅を前提に設計されているためか、
AMモードではAF GAINつまみ(ボリューム)を目盛り1〜1.5あたりにしないと、常用出来ないほどだ。この位置で固定したまま運用を続けるとガリの発生に繋がりかねないため
スピーカ出力のパワーダウンを目指し、いくつかのカスタマイズを施した。
AFパワーアンプには松下電器のAN-214Qが用いられている(FRG-7にも使われている)。仕様書によると出力4.4W(電源電圧13V時)となっているので、
電源電圧を下げれば出力も下がるだろうと目論み、基板のパターンをカットして3端子レギュレータを介しデフォルトである13.8Vから9Vへ変更。
予想していたよりも出力減とならなかったので、その後のモディファイでは6Vレギュレータを採用。
Sメータ用照明が麦球の場合、音声出力に合わせて明暗するがパワーダウンにより若干改善が見られる。照明をLEDへ交換するとこの現象はほとんど感じられなくなった。
昭和49年4月発行 AN-214などの仕様書。古いものなので現在となっては入手困難。
これには応用例として回路図が記載されているが、FR-101での回路図ではNFBが無効。そこでNFBを有効にして出力を抑えようと試みた。
5番ピンから繋がっているC18のマイナス側を変更
赤線のように変更することでNFBが有効になる。少しはマシになったのか、ならなかったのか?
これはSメータの照明用麦球をLEDへ交換する前に施したのだが、パワーアンプで大電流消費によりランプが明暗するならば、
アンプへ供給する電流を安定化?させればいいだろう・・・と安易な考えにより、大容量電解コンデンサを追加した。当初はバス端子近くに
1000uFを、アンプICの電源ピン近くに470uFを追加、だがこの対処は正しくなかった。電源ラインはすでに2000uF(後期型では3000uF)の平滑コンデンサが装着されているため、IC電源ピン近くに大容量のものを配し、電流変動の抑制を試みた。照明バルブをLEDに交換したことで、この変更は無意味になってしまった感があるが・・・。
変更前。バス端子付近に1000uFを配してみたが・・・
変更後。ヴィンテージ・レシーバーの基板をイジリ倒した暴挙の結果は?!
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