旧 田口線 玖老勢から 滝上へ・・

半世紀余の時を超え、廃線跡を辿る

Chace the Shadow of OLD TAGUCHI Railway

















 

古(いにしえ)のローカル線はどこを走っていたのか、、、三河海老停車場編

 毒吐きになってしまうが、職場でまたひとり従業員が辞めていった。ただでさえ人不足なのに労働環境はまた一段と劣化するであらう。 この一年辞める人間ばかりで就業者はたった二人、しかも70代と80代(驚愕!)。  上記状況下で、田口線遺構巡りの編集作業に割く時間が激減してゐる。とりあえず雑文ながらレポートを上げておく。


田口線・玖老勢駅以北





 三河大石駅跡 付近
 おおよそ、このあたりに三河大石駅があったと云われており、現在はバス停「鳳来大石」となってゐる。
 バス待合所は田口鉄道時代の駅舎を模して造られており、中には時計も掛かって居る。  

撮影:2025年4月17日




 県道32号から海老川橋梁に続く軌道跡
 現在、32号からの分岐付近構造は鉄道車両が通れる規格ではない。
 廃線になって築堤も再構築されたであろう。
 当時はそのまま軌道が海老川橋梁方向へ下っていた。  

撮影:2025年4月17日





 1960年代の航空写真 / 海老川橋梁付近
 玖老勢方面から海老川橋梁へ向かう軌道の様子が分かる。
 現在の県道32号分岐地点とは様相が全く異なっている。
 (国土地理院 HPより)  






 現在の海老川橋梁への分岐点
 現・県道32号から海老川橋梁(平谷瀬橋)へ向かう導入路。
 自動車の通行を前提に設計されてゐるのは言うまでもない。
 先の航空写真と比べれば一目瞭然。(赤丸で囲った部分)
 撮影日:2025年7月30日  






 海老川(平谷瀬)橋梁
 海老川を渡る平谷瀬橋。現在の橋は昭和54年に架設。
 県道32号から双瀬隧道へ向かっていく途中にある。  

撮影:2025年4月17日





 双瀬隧道
海老川橋梁を越え三河海老駅へ向かう道中にある。 斜めになった坑口はあまりにも有名。
この隧道を抜けしばらくした場所左側に採石場があり、石を積み込んだと云ふ。
 今となってはその痕跡を見つけることは出来なひ。撮影方向は三河大石側を望む。  

撮影:2025年4月17日  





 宮裏隧道
双瀬隧道を抜けた先に待ち受けており、坑内は修復処理が為されてゐる。
 三河大石側坑口、手前左側には祠が存在してゐる。  

撮影:2025年4月17日  





 巣山川橋梁
宮裏隧道を抜け三河海老停車場に向かって一直線に進む途中にある。    

撮影:2025年7月1日  





 宮裏隧道から三河海老へ向かう
田口線現存当時の写真。宮裏隧道を抜け三河海老停車場に向かって進む途中に巣山川橋梁がある。  
 





 宮裏隧道から三河海老へ向かう
現在の写真。正面に見える建物は駅跡に建つ三河海老構造改善センター。
軌道跡は一旦、そこで遮られてしまふ。   

撮影:2025年7月1日  





 三河海老駅 跡地
 操車場とまではいかないまでも、多くの軌道があったことを思わせる広い敷地。
 正面にある建物の向こうは双瀬隧道へ向かう、道路(路線跡)が続いている。
 画像左側の箱状の建物あたりに駅舎が建っていた。バス停「海老車庫前?」だった頃まで
 当時の駅舎の名残があったと云われてゐる。
 

撮影:2025年4月17日





 三河海老駅 ジオラマ
 三河海老駅跡地に建つ海老構造改善センター内に、往年の三河海老駅を
 再現したジオラマがあると知り、さっそく見学に行ってきた。
 写真だけでは伺い知れない駅全体のレイアウトが把握出来、数多く残された画像の
 それぞれが「どの場所からどこを撮ったのか?」を理解する手助けとなった。
 監修者が海老駅勤務であったことから、そのリアルさは比類なきものとなってゐる。

 この日はあいにく雨天だったが、三河海老駅〜滝上駅の軌道跡も探索してみた。
 後日、そのあたりの画像もアップする。



 ジオラマ製作に携わった方々。海老駅を知り尽くした先人達に感謝致します。  

撮影:2025年6月11日





 時の流れを教えてくれる
先達諸氏のレポートにも散見される、三河海老の町を紹介してゐた看板。
どこへ消えたのだらう?と前々から思ってゐたのだが、意外な場所で見つけることが出来た。
この有様では誰も氣づくまい。 寂しい限りだ。
(破棄されず残されているだけ、マシなのかも知れぬ。)    

撮影:2025年8月28日  





 新調して残そうではないか
町の沿革を教えてくれる貴重な看板。描き直して海老構造改善センターの一画に立てたらどうか?
三河海老の歴史をぞんざいに扱ってどうする、地元愛が足りなさすぎでは? > 新城市役所担当 様    

撮影:2025年8月28日  





 滝上駅 ホーム跡
 三河海老駅方面を望む。三河大草駅同様、ホームがしっかりと残っている。
 以前は海老駅へ向かって路線跡があったらしいが、32号線拡幅工事に伴いその多くを消失した。    

撮影:2025年3月30日




 海老隧道
 滝上駅を背にして稲目隧道方面を望む。距離は短い。
 隧道を抜けると、道路左側の高垣が軌道跡となってゐる。やがて道路に吸収される。    

撮影:2025年4月9日




 海老隧道から稲目トンネルへ
 32号沿いの右側高垣が田口線軌道跡となってゐる。
 道路が拡幅され軌道跡は消失してしまふ。
 三河海老方面を望む。      

撮影:2025年4月9日


 

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