Mystery of Circuit GND



GNDアース-BATTの違いは?

 フルスクラッチで電子工作をするとよく分かるのだが、電源の-(マイナス)と回路のヒゲマーク(アースマーク)、 そして入出力端子のコールド側は明確な区別が出来ず、とりあえず同じワイヤに繋げば動作してくれる・・・ 一絡げにして同じもの、と云う感覚だった。確かにそのどれかが外れるとブー・・・というハムノイズが発生したり、まったく不動になったりする。

 今回、高周波アンプ系では+Vを高周波アースランドとして扱い製作している。文字だけでこう書くと「何わけのわからない事言ってるんだ?」 となりそうだが、実際ナショナルクーガ115や118などではバリコンのローター側やIFTのケースや基板でのアース箔が+V、 つまりバッテリーのプラス電位となっていてアンプ回路もそれに合わせてパスコンが+Vに落してある。外部アンテナのアース端子もデカップリングCを介して+Vランドに接続されている。

 これは過去に某ch掲示板にて「松下さん、BCLラジオを作ってください」というスレッドが立ち、 そこへ元松下電器・ラジオ事業部に籍を置かれていた自称「デムパ基地街」氏が投稿された技術論の中に、 RFアースを+Vにすることで動作も安定する実績がある、とクーガなどを引き合いに出して紹介されたのである。 回路構成も説明してくれ、これに倣って+Vランドを大きく取って高周波増幅回路(RFアンプ)を製作した次第。電源電圧が安定することから動作の不具合によるノイズも低減。

 さらに伊藤健一氏の「アースの話」という本に触発され、両面銅箔基板を用い、その表裏を全面+V、-Vとした。 これにより基板自身もパスコン化する。 デムパ氏の 「RFアースを+Vにすると動作が安定する」と云う教えを究極的に拡張。回路を構成するパーツはコマ配置で実装し パスコンや+VDDは基板から直接素子と接続出来る。こうすることで電源供給やGND(-BATT)にワイヤリングは不要で非常にシンプル。無用なトラブルを避けられるメリットもある。





2SK439Eを用いたパラレルアンプの基板。(RF amp / B)
+V側となる面にコマを乗せ、ここへパーツを実装してゆく。 入出力のコールド側は、デカップリングCを介してこちらに落とすことでRFアースを+Vにしている。




同基板の-V側(基板裏)。
ソース抵抗など信号系アースや‐BATT(=0V)はこちら側へ接続。




同基板に設けたスルーホール
実装面(+V)からGNDへの接続のために穴あけ。ショートしないよう座繰りを施す。




すべてのパーツが実装された状態。
この後リファインを施し、入力トランスやパスコンを落とす位置が変更になる。




同様の手法で製作した別の高周波増幅回路。(RF amp / A)




RF amp / A の裏面。
裏全面がGND(-BATT=0V)となっている。 余計なワイヤリングが無いので、共通インピーダンスは無視できる。



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