旧 田口線 清崎 〜 入道ヶ嶋・ 大久賀多隧道群

半世紀余の時を超え、廃線跡を辿る

Chase the Shadow of OLD Taguchi Railway


















清崎停車場へ






清嶺トンネル(旧・清崎第三隧道)

田峯側より清崎方面を望む。画像右側へ進むと長原前駅跡と清崎第三隧道坑口へアクセス出来る。
清崎第三隧道は現・清嶺トンネルの側壁にぶつかって行き止まりとなってゐるが、現トンネルの
中央出口寄り付近で鋭角的に交差してゐると思われ、現在の出口位置と同じ場所に抜けたであらう。
(この道路は国道257号)





清嶺トンネル(旧・清崎第三隧道)

清崎側から望む。出口に近い左側壁面の外側に、旧・清崎第三隧道が鋭角的に合流してゐると推測する。
他サイトには、清崎第三隧道が清嶺トンネルの隔壁によって行き詰まりになった画像もあるので参照されたし。


 清崎第三隧道を抜けしばらくは林縁に沿って進むがやがて緩く左へ曲がっていく。 ちょうど現在の八雲苑やコンビニがある手前辺りだ。軌道が真っすぐになる頃(現・道の駅したら前付近)には清崎停車場が見えてゐたであらう。今は「道の駅したら」の臨時駐車場となっているが、 広大な貯木場もあり開けていたので視界を遮るものは無かったと思われる。






往年の清崎停車場ホームより

 長原前方面を望む。軌道(線路)を辿っていくとやがて右方向へ曲がっていくのが確認出来るが
現在のディスカウントストア前付近であらう。国道257号が路盤跡を転用してゐるのが分かるカットである。
ホーム右側は虎屋製材界隈と思われる。

悲しいかな、現在では当時の清崎駅を感じさせてくれるものは皆無と云っていいだらう。




上の写真、現在の様子

 長原前方面を望む。若干視線が左へブレているがほぼ同位置からの画像と考へていいだらう。
プラットホーム分だけ視点が低くなってゐるものの、257号が右方向へ曲がっていく様子は同じである。

画像右側に映る建物の切妻屋根が、上の写真では木々の間からのぞいてゐるが・・・。瓦を葺き替えたのか鬼瓦が無ひ。




清崎まなび隊による「虎屋製材跡」の看板






虎屋製材の蔵

何の保管に使われていたのかは不明だが、立派な創りの蔵が今も遺る。




清崎停車場

 木材を積んだ貨物車両。三河田口駅が川沿いに設営された所以が伺えやう。
 画像右側には、貯木場が広がってゐたと思われる。




清崎停車場跡

画像中央の建物(清崎バス停)から国道257号沿いの並びが清崎駅跡だったと云ふ。
清崎まなび隊の立て看板も在る。建物左側の道路に軌道があり、その左側に駅舎があった。
清崎・田口間が台風災害により通行止めとなり、事実上廃線になるまで清崎が終着駅に。
田口線に於いて数奇な運命を辿った駅であったと云えやう。長原前方面を望む。




清崎停車場跡 視点を変えて

廃線後、しばらく後の話だが中央、白い建物(建物の前?)は売店があったと云ふ。
平成初期まで残ってゐたらしい。(地元民の話)




清崎まなび隊・看板
今となっては清崎駅跡に立つ看板が、ここに停車場があったことを伝えるのみだ。
平成初期までこの付近に腕木式信号と駅名標が遺ってゐたと云う。
(その様子はネットで検索すると見つけられる)


清崎停車場から田内隧道まで

 清崎停車場は現在国道257号沿いにある大型ディスカウントストアのあたりから北に向かって右側にある清崎バス停までの区間にあったと思われる。 虎屋製材の古い蔵が唯一昔の名残と云っても過言ではなかろう。 平成始め頃には、バス停のところに売店があったと云ふが今ではその痕跡さえ感じられなひ。

 野々瀬川橋梁も現在は新大橋と名前が変わって護岸整備に伴ひアーチ形状となったが、昔は路盤も含め平坦なまま寒狭川第三橋梁まで続いてゐたと思われる。



旧・野々瀬川橋梁(現・新大橋)

昔は橋の長さがもう少し短かったのかも知れぬ
野々瀬川に沿って433号線を遡ると新美南吉も訪れた塩津温泉が在る。
小説「山の中」で宿周辺を描写した件は、実体験によるものであらう。
清崎駅から宿まで歩いたに違いなひ。そう思ふと感慨深い。




旧・野々瀬川橋梁跡(現・新大橋)

三河田口方面を望む





現・国道257号 清崎交差点。
当時、野々瀬川橋梁を越えるとこの場所に踏切があった。
ここを右折すると塩津温泉へ向かう。







踏切があったことを伝える「清崎まなび隊」の看板。
田口線にあった有人遮断踏切は「本長篠」「三河大石」と、この「清崎」となる。






通行止め案内板

寒狭川第三橋梁入口にこの先通行止めを知らせるため設置してある






257号沿いにある「清崎」バス停。向こうに寒狭川第三橋梁が見へる。





右へ向かう道は257号で田口中心地へ向かふ。 当時は清崎側から直線的にこの第三橋梁へ軌道が通ってゐた。




寒狭川第三橋梁 (辨天橋・箱上橋)

257号側から田内隧道方面を望む。
幅員が狭く離合出来ないため、通行には注意を要する。




寒狭川第三橋梁 (辨天橋・箱上橋)

右横から田内隧道方面を望む。
ガードレールが配され道路橋へと変貌してゐる。




田内隧道

可能であればバイクや自転車、徒歩での通行を勧める。田口方面を望む。
この隧道を潜ると1067oの森林鉄道と呼ばれた田口線の所以となる世界へ誘われることだらう。




田内隧道

田口側より清崎方面を望む。撮影時、廃線マニアの方と遭遇。
通行止め地点から清崎へ移動中とのこと。私は通行止め地点へ向かう。
他の場所で田口線マニアの方々と遭遇するも無言ですれ違うことがほとんど。
情報交換などは、希であつた。




入道ヶ嶋第一隧道へ向かう

緩く登り勾配の軌道跡を北(田口方面)へ進んでいく。
右側は拓けておりその向こうには257号線が通ってゐるのが見える。





入道ヶ嶋第一隧道へ向かう

町道143号・平野松戸線をさらに北へ進む。
徒歩での移動は意外にも時間がかかる。来た道を戻らなければと考へると氣が重ひ。
なかなか入道ヶ嶋第一隧道に辿り着けない。




入道ヶ嶋第一隧道へ向かう

町道143号・平野松戸線をさらに進むと森が深くなってきた。。
入道ヶ嶋第一隧道へもう少し・・・。




入道ヶ嶋第一隧道へ到着

隧道の向こうは高鉄橋(寒狭川第四橋梁)になる。
隧道入口右側は、釣り場へ降りられるやう駐車スペースがある。
田内隧道から徒歩約15分で到着したが、体感的にはより長く感じる。



※ 指定なき画像は2025年5月1日撮影





高鉄橋(寒狭川第四橋梁)からの眺望

当時も車窓からこのやうな景色が見られたであらう。
(進行方向・清崎方面 右側)

撮影日:2025年7月1日



入道ヶ嶋・大久賀多隧道群

Track End 三河田口駅