MAKE A LOOP ANT for MW Capture

45年の時を超え、もう一度BCLの世界へ / アンテナ編

中波BC帯・受信用アンテナの製作

復刻・謎のトライアングルアンテナ!

 アンテナ・・・多種多様な型式が存在するが、中波帯受信においてはかなり限定的になる。広大な敷地があれば指向性を狙えるロングワイヤアンテナやK9AYアンテナ、大規模なカウンターポイズの設営も可能だが、 周囲一帯が住宅に囲まれている当方所在地ではそれも叶わない。市販の303WA-2(ApexRadio)が良い結果をもたらしてくれるが、バーチカルエレメント故にノイズと混信に弱い。 このアンテナの宿命とも云える。ノイズを嫌ってホリゾンタル設置(エレメントを水平にする)も可能だが、指向性が固定となってしまう。
 

 アマチュアに残された手段は(微小)ループアンテナ製作・・・となる。BCLブーム全盛当時、故高田OMがラジオの製作誌面上で「謎のトライアングルアンテナ」を発表され、 私もそれを真似て作った。当時所有していたオーディオチューナのST-7300(Technics)でも効果抜群で、土曜深夜の<笑福亭鶴光のオールナイトニッポン>を地元局のCBCではなくJOLFで聴いたほどである。 ループアンテナの効果を体験済み故に、こちらへ傾倒するのは自然であろう。


ループアンテナの呪縛!?

 一方で熟考しなければならない事案として、FRG-7は中波BC帯(0.5~1.6MHz)を受信可能であるが、中波受信に一般的なバーアンテナを本体に内蔵していない。 ループアンテナをFRG-7で使用するには、同調ループとは別にピックアップループ(給電ループ)を設け接続するのが一般的だが、ここに底なし沼が存在していた。またループが可動式(回転可能)でなければ、アンテナの持つ指向性が発揮できない。混信対策としては片手落ちとなろう。


カージオイド特性とMLA

 ループアンテナの指向性といってもダイポールアンテナ(モノポール)と同じで8の字特性であり、混信対策といえど減衰させたい放送局にNULLポイントを向ける程度。 ビームアンテナには及ばない。 2つの放送局(送信所)がフォワード側、バックワード側でそれぞれNULLポイント外に存在する場合には効果がない。 これの対策として、単一指向性とまではいかないがバックワード側の指向性を減衰させられるカージオイド特性を持たせたループアンテナもある。一般的にはループアンテナにバーチカルアンテナを組み合わせて実現するが、 各々アンテナのゲインや結合トランスなどの調整が非常にクリティカルなため、浅学の私には手に負えない代物となった(試作機を作って実験済み)

 ループエレメントに同軸ケーブルを利用したMLA(Magnetic Loop Antenna)も自作可能である。エレメントを長くしてループ径を大きくすると利得が上がる傾向にあるが、 同軸ケーブル故に形状保持が困難であるため、おのずとサイズは制限されてしまう。磁界アンテナだけあって単線エレメントのループアンテナよりノイズには強いようだ。


バーアンテナを用いる

 FRG-7がバーアンテナを内蔵していないのは周知だが、大型バーアンテナを製作してプライマリアンテナとすることも一つの手段である。フェライトバーを可動式にすれば、 クーガばりに「ジャイロアンテナ」として活用することも可能。

 入手は困難かもしれないが、米国の C Crain Ferrite Twin Coil Antenna w/t booster amp を使えばバーアンテナを外部アンテナとして活用できる。

 いずれにせよ一長一短で、ベストな選択となるアンテナは受信状況に合わせて切り替える外、手段はなさそうである。
そのひとつの回答として<ハイブリッド・ループアンテナ>の製作に行き着いた。



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